【2014年7月21日〜26日の日記】 5ヶ月遅れで更新中
2日目、マンダラハット(2720m)からホロンボハット(3720m)へ向かいます。朝起きた時は小雨が降っていましたが歩き始める頃には何となくいい天気に。
↓ 救助用に一輪車。ところどころに用意されています。でも実はホロンボハットまでは緊急車両用の道路がある。
2日目の途中からは雲の中を進んでいきます。風があまり吹いてなかったので寒くはないです。写真は私達のガイドのダニエルさん。
霧の中ににょきにょき生えている不思議な植物、ジャイアントセネシオ。初めて見ました。
太い幹と大きな葉っぱで成り立っているように見えますが、大きな葉っぱが寒さから幹を守るために落ちずに垂れ下がって幹を覆っているんです。幹の中は空洞で日中の太陽熱を溜めているそうです。大きなものは8mにもなるそう。この木にも花は咲きます。花は10年に一度しか咲かないそうですが、たまたま私達は4日目に見ることができました。それはまた後で。
ホロンボハットに到着したのは午後3時頃。とてもゆっくりのペースです。通常ここは1泊ですが、登頂率を上げるにはここで2泊して高度順応を。私達はここで2泊。
雲の中を進み、辿り着いたホロンボハットはすでに雲の上。サーッと霧が引いて見えてきた雲海。
1泊目はマンダラハット、2泊目3泊目はホロンボハット、4日目はキボハット、5日目には登頂アタック後ホロンボハットまで一気に下りて、1泊して帰るというスケジュールなので、ホロンボハットにはその日登頂アタックして下りてきた人も泊まっているんです。ここでは沢山の素敵な出会いがありました。
キリマンジャロの登山では最終アタック日まで寒さはそんなに感じませんでした。ナムチェはここより低いんだけどぶっ倒れていた夫も今回は余力をきちんと残せています。
足下に迫ってくる雲。
ホロンボハット2日目は高度順応の為、周辺を散歩します。このお散歩にもガイドさんはしっかり同行。ただお腹の調子が悪そうで心配。
今日の目的地はゼブラロックという場所。
快晴。マウエンジ峰(5149m)が綺麗に見えてます。
マウエンジ峰アップ。
ジャイアントセネシオ、デンドロセネシオの群生地。
↓ これが10年に一度だけ咲く、ジャイアントセネシオの花。
花の形状は頭状花序。小さな花が密集して咲くひまわりと同じ咲き方。
木の大きさが伝わりますか?
エリカの花と鳥。エリカは大好きなハーブのひとつで、いつかドイツのヒース(エリカ)街道をドライブしてみたい。
ヒースとエリカはほぼ同義ですが、エリカ(ヘザーとも)は花そのもののことで、ヒース(Heath)は背の低い植物(この大半がエリカ)が群生する荒地を指すようです。エリカは南アフリカ、ヨーロッパ原産など様々な種類があり、ロンドンのヒースロー空港の名前の由来でもあるそうです。スコットランドのヘザーハニーは日本でもとても人気で我が家にもあります。
↓ 黄色い花の名前は分かりませんが、黄色い花と遠くにセネシオの木と雲海。絶景です。
ホロンボハット周辺は鷲もいっぱい。観光客の食べ残しを狙ってます。なんて可愛い顔。
↓ ゼブラロック。
4日目も快晴。目指す頂上、キボ峰がはっきりと見えてきました。
キボ峰の氷河のアップ。・・・ここまで激しいアップダウンもなくゆったりと歩いてこれたんだけど、どう見てもあと1日であの坂を登らないと頂上には立てそうにないなぁと薄らぼんやりキボ峰を眺めて歩いてました。
4300m付近。ザ・サドルと呼ばれている道。この辺りは風が強く、一気に体温を奪われていきます。
水を運ぶポーターさんたち。そろそろラストウォーターポイントです。
ラストウォーターポイントを過ぎたあたりでガイドさんがパルスオキシメーターを取り出し、各自血中酸素濃度をチェック。私は87%、夫は91%とどちらも問題ないレベル。夫に至っては他人から見ると「あの人大丈夫?」ってくらいフラフラに見えるんだけど、実は限りなく体力の温存をしているだけだったことが数時間後に判明。
キボハット(4700m)に到着したのは16時頃。17時半頃に夕食。さすがに食欲がなく、マンゴーとオレンジを少し。キボハットでは仮眠を取ります。普通のペースで歩ける人はもう少し早くキボハットに到着して、午前1時ごろに最終アタックへ向けて出発するのですが、私達は極度にゆっくり進んできたので、そのペースからガイドさんの判断で到着日の23時、普通の人達より2時間も早い出発になりました。
うちのガイドさん、かなり頼もしくプロ根性が見られる人だったんだけど、出発時刻にトイレットペーパー片手に私達の前に現れ、お腹ピッピで俺は行けないから代わりにこの人(だれ?)とコックさんと登ってきてと。夫には新しいガイドさん、私にはコックさん。この人選が結果として素晴らしいものでした。
キボハットからは荷物やカメラ、水などはガイドさんがすべて持ってくれます。夜中から明け方にかけてはボトルの水が凍ってしまうほどの気温の低さです。電子機器の充電はフル充電じゃないと悲しい結果になります。
登り始めて2時間ほど経ち、後ろを振り返るとちらほらと他の登山客のヘッドライトが見えてきました。私達のペースが本当にゆっくりだったのでどんどん抜かされ、今度は進行方向に他の登山客のヘッドライトが。あんなところまで登れるのかなぁという不安を掻き立てる光。道のりはジグザグ。高山でのジグザグの道のりってすごくしんどいんです。一番しんどくない歩き方のはずなんだけど途方もなくしんどい。
ここまで特別な高山病の症状が出てなかったんだけど、寒さからか急激な眠気に襲われ、気がついたらギルマンズポイントまであと少しってところにいた。この間の記憶がほとんどありません。思い返すとゾッとするほど覚えてない。
↓ ギルマンズポイント手前からの朝日。
太陽が雲の中から昇ってきます。
雲の下の太陽。ここで私のiPhoneの電池が切れた。
この後、夫に先に行ってもらい別行動。私はギルマンズポイントまで辿りつけたものの、そこでコックさんのリュックを枕に寝ちゃったんです。
なのでここからは夫しか見ていない景色。
夫曰く、ギルマンズポイントからウフルピークまでの道のりはチャンピオンロードのようだと。ものすごくなだらかな普通の道だそうで、長い時間私を待ってくれていて、なおかつ迎えに戻ろうとしてくれてたみたいで、「なんでギルマンズまで行けたのにあの簡単な道歩かなかったの?」って言われてしまいました。戻ろうとした夫にガイドさん、「嫁に甘い!」と一喝したそう・・。
4日目に見えていた氷河。
フラフラだったはずの夫。ウフルピークにて。
おめでとう!5895m到達。夫の力の配分に完敗。次に狙うのは富士山とキナバル山。
・・見たかったな、私も氷河を。
一応ギルマンズポイントでも登頂ってことになるので、色は違うけど登頂証明書はゲット!
ギルマンズポイントで寝てたら白人女性のグループがやってきて、起こされました。クッキー食べて!と。ぼんやり断ってまたうとうとしてたら、心配そうに私の口元にクッキーを押し込んできて、クッキー食べたら水いっぱい飲めるから食べなさいって。水いっぱい飲んだらハットまで戻ろうと言ってくれました。ここまで他人の心配ができるってなかなか真似できません。私の意識がはっきりした時点でコックさんに一言添えて自分たちのグループと去って行きました。
そして、下山が一番大変でした。下りるだけなのに足が前に出ないんです。最終的にキボハットまでコックさんともう一人の知らない人に両腕を支えられて引きずられるようにおろされるんだけど、これが酔うんです。めちゃくちゃ気持ち悪い。一見楽そうな方法に見えるんだけど、結局は自分の足の筋力、しかも日頃使わない前側の太ももの筋肉を酷使するので疲れる。
結局私は13時半ごろにキボハットに到着。夫を待ちます。夫と合流してその日のうちにホロンボハットまで下りなければいけないんですけど、夫が下りてこない。キボハットにはこれから山頂へ向かうグループが続々とやってきます。そんな中ハット内でポツンと夫を待ってたんだけど、吐き気に襲われ屋外へ。この時私の様子を見ていたフランス人がすかさずやってきて、嘔吐している私の背中をさすってくれて励ましてくれて、さらに夫を迎えにいこうとしてくれて、ここでも感動。ちょうど夫がガイドさん他大勢の人に支えられて下りてきたところだったらしく、迎えに行けない私を安心させるため、夫の写真を撮ってきてくれて、この人ご主人?と。ご主人も元気そうだし頑張って!と。
夫と合流出来たのは結局16時頃。こんなに長く山頂にいたことがキリマンジャロでは異例なことらしく、夫は高山病扱いでタンカーでホロンボハットまで運ばれていきました。元気そうだったけど。私もタンカー乗りたいって言ってみたんだけどダメ。私はコックさんとポーターさん2人に支えられ何度も何度も立ち止まってしまったけど何とか到着。途中、タンカーで運ばれる夫に先を越され、私がホロンボハットに戻ったのはどっぷり日が沈んだ後。私のペースにずっと付き添ってくれた全員に感謝です。チップは通常下山後チーフガイドさんにまとめて支払うんだけど、さすがに今回は別途直接渡したいと思い、コックさんには直接渡しました。どうでもいいけどコックさんの名前はギニュー。特戦隊を思い出す人ってどれくらいいるかな?
6日目はホロンボハットからマラングゲートまで一気に下ります。途中私はお腹が治ったダニエルにおんぶをしてもらいながら下山。
2人とも無事にモシに到着。下山した後は夫のほうが元気で、レンタル用品の返却やチップの支払いなど全部やってくれました。
さて、チップの話ですが、相場はガイドさんに1日20ドル、ポーターさんコックさんには1日8ドルくらいだそうですが、ツアー会社にもよります。今回ガイドさん1人、ポーターさん2人、コックさん1人の合計4人のサポートだったんだけど、途中からサポートしてくれる人が増えて、その分チップの上乗せがされてました。それは仕方ないけど、できれば直接渡したいですよね。ここで大切なのは、サポートしてくれた人全員の名前を聞いおいて、それをチップ支払い時に伝えること。じゃないと人数だけ加算されている場合があります。ガイドさんは自分の取り分さえ確保できれば後は適当。きちんとサポートしてくれた人にちゃんと行き渡るような配慮も必要ですし、渡しすぎると次の観光客の迷惑になるので、相場を把握し、事前にパーセンテージではなく金額で取り決めを。タンザニア人は「話し合う」ということがきちんとできると思うので、違和感を感じた時などはストレートに聞くのが一番です。
モシの町は、砂埃がひどいです。ごみごみしている割には緑が多いんだけど、葉っぱが砂埃でうっすら茶色く、あまり居心地のいい町ではありません。
そんなモシの町で、旅行者のオアシスになっているカフェがあります。ユニオンカフェ。私達が宿泊していたSpringland Hotelはモシの中心部から車で10分ほど離れているんだけど、言えば1人2US$で町まで送ってくれます。ドライバーさんも知っているカフェ。
キリマンジャロコーヒー。やっぱり酸味が強い。パッションフルーツのチーズケーキがおすすめ。
ここのコーヒー豆はお土産として空港にも売ってます。他のコーヒー豆の産地と違い、小売業者が少ないのか、観光客が買えるメーカーは数社ほど。選択肢が少ないことにがっかりするかもしれません。
あと、Springland Hotelに宿泊する場合の注意点をひとつ。朝4時頃、ホテルのすぐ隣でコーランが鳴り響きます。エジプトやトルコでは日常的に聞いてたけど、それらとは全然違い、トランス状態でヒステリックな口調で拡声器を使って怒鳴ってる感じ。下山後は集会場からなるべく遠い部屋をリクエスト。
この後は本来ならアルーシャに行くのがルート的にスマートなんですが、疲れていたので一旦ザンジバルへ。1週間ほどゆっくりします。